川霧の大正池
Mist on the Taisho-ike pond
穂高の山々は朝から雲に覆われていた。晴れていれば早朝の朝もやはすぐに消えてしまう。この天気がゆえに気温が上がらず朝もやが昼まで湖面に残っていたのだろうか、
それとも、日出の後一旦温められ蒸発した湖面付近の水分が降りだした雨により急激に冷やされ川霧を発生させたのだろうか。
いずれにせよ、条件がそろわないと見られない光景、雨の中歩く決断を私にさせた理由である。
ちなみにこの5枚の写真を左から右に並べると、非常にアバウトなパノラマになる。ってか、カメラのパノラマ撮影機能を失念していたことをちょっとだけ後悔。
大正池は1915年(大正4年)の焼岳の大噴火により梓川がせきとめられてできたのだそうで、その時に水没した林が立ち枯れとなって今も残っている。
が、土砂の流入により年々池は小さくなり、立ち枯れの木も倒れたり朽ちたりして減少を続けているとのこと。確かに、 何年か前に撮られたのであろうWEB上にある写真を見ると、木々はもう少し多い。
霧は河原には無いが、木々が湖面に迫るあたりには漂うように溜まっている。
大正池にはいくつかの沢が流れ込み、いくつかの川筋が低地を流れる。
池を離れると霧は無く、雨とは言え視界は良好だ。
林の中の散策路(自然研究路)を抜け中千丈沢(Nakasenjo-sawa) の扇状地先端付近に出る。梓川の流れなのか大正池の端っこなのか。たぶん、その両方、沢に押し出されてくる砂礫や流れてくる土砂が湖面を埋めていくのだろう。
この辺りにも立ち枯れの木が残り、その運命は湖面の木々と同じであろうが、それは自然の摂理である。
何十年に一度かの大雨・洪水・土砂崩れにより一旦は壊滅に近い状態になる植物たちだが、やがて、流れ着いた新しい命が芽生え、 新たな植生が形成され成熟していく。その繰り返し。
河原の縁に残る枯れ木と新たに繁茂する植物たち。
この枯れ木がかつては池・川水の中にあったのかどうかは不明。
田代湿原
Tashiro Wetlands
林を抜けると突然、目の前が開け、田代湿原エリアに入る。かつてはここも含めて広範囲に池が広がっていたのだろう。周囲の山々に降る雨が伏流水となって窪地に溜まり池を形成、その上に枯れた草や土砂などが積み重なって埋め立てられ湿原となるそうだ。
枯れた草のオレンジと萌える草の黄緑とが混じり合い、絶景。
田代池
Tashiro-ike pond
池の縁の木々が影をつくるあたりには緑の藻がゆらぎ、水さえ緑に見える。
湿原化が進み、現在の池は思ったよりだいぶ小さく浅い。
が、これ以上無いくらいに澄み渡った水は、実際の池の深度をさらに浅く見せるように思う。
藻が生えず、砂礫が溜まった辺りの池水はオレンジ色だ。晴れていれば山の緑を映すのだろうが、あれからずっと、なぜオレンジ色なのか考えてる。。。
田代湿原の先で自然研究路は林間コースと梓川コースに分かれる。
こっちに行けば林間コースだが、梓川コースを選択。田代池までの所用時間、ガイドでは20分だが40分近くかかってる。先を急がねば。
ちなみに、どっちのコースを歩いても所要時間は同じくらいらしい。
to be continued...
Back to Matsumoto (上高地 5)
Back to Matsumoto, Kamikochi
河童橋 - 小梨平 (上高地 4)
around the Kappa-bashi bridge and Konashidaira, Kamikochi
自然研究路 梓川コース - 河童橋 (上高地 3)
Nature research trail Azusa-gawa Riv. Course to Kappa-bashi bridge, Kamikochi
大正池 - 田代池 (上高地 2)
Taisho-ike pond to Tashior-ike pond, Kamikochi
20150822 ロード to 上高地
Road to Kamikochi