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2014-11-21

20141121 八丈島で出会ったキョンとホオジロカンムリヅル - 八丈植物公園

Grey crowned crane and Reeves's muntjac @the HACHIJO BOTANICAL GARDEN

どちらも八丈島に自然分布してはいないのだが、ミニ動物園的に飼育されている。


ホオジロカンムリヅル (頬白冠鶴)
Grey crowned crane
学名:Balearica regulorum






キョン (羗)
Reeves's muntjac
学名:Muntiacus reevesi
雌雄2頭。

食害や生態系への懸念から特定外来生物に指定され、千葉県では駆除されているそうなのだけど、キョンが悪いんじゃない。。。って、つぶらな瞳が言ってる。





ええ、私は、キョンは八丈島固有種だと、いえ、それ以前には、あのマンガに出てくるだけの架空の動物だと思ってました、子供の頃。

20141120, 1121 八丈島で出会った植物たち - 八丈植物公園編

Some of the plants I met on my trip to Hachijo-jima - at the HACHIJO BOTANICAL GARDEN

八丈植物公園は東京都立公園。

ソテツ (蘇鉄) (中央)
Sotetsu, Japanese sago palm
学名:Cycas revoluta
ソテツ科 Cycadaceae ソテツ属 Cycas

ビロウ (左右) たぶん
学名:Livistona chinensis
ヤシ科 Arecaceae ビロウ属 Livistona
別名:トウビロウ
小葉の先が長く二つに分かれ垂れ下がります。
ビロウヤシとも呼ばれますが、同じビロウ属の L. rotundifolia もビロウヤシと呼ばれます。こちらは別名ジャワビロウで、小葉の葉先の切れ込みは短く、折れ曲がるほどには垂れ下がりません。

ソテツ (蘇鉄) の胞子葉と実 (雌株)
Fruits and Sporophylls of Sotetsu (Cycas)

左の写真は、雌株の朱色に熟した実とクリーム色の毛布のような胞子葉。
ソテツは裸子植物なので、被子植物とは「花」も違います。
雌雄異株で、いわゆる雄花の花穂にあたるのが花粉錐で花粉を放出、雌花の花穂にあたるのが種子錐で、胞子葉の根元に胚珠が並んで付き、受粉すると膨らんで実になる。花の時期は終わっているので雄花は見つけられなかった。花・実が無いと雌雄の区別はつかないね。

アロウカリア (ナンヨウスギ)
学名:Araucaria sp.
ナンヨウスギ科 Araucariaceae ナンヨウスギ属 Araucaria
品種の詳細は不明
植物公園だけでなく、島のあちこちで見られる。
遠くから見ると、両手を空に向かって広げているようでとてもユニーク。
オオムラサキシキブ (大紫式部)
学名:Callicarpa japonica Thunb. var. luxurians Rehder
クマツヅラ科 Verbenaceae ムラサキシキブ属 Callicarpa
ムラサキシキブの変種とされる。海岸近くに分布するらしく、葉が大きく卵形。実は、ムラサキシキブに比して特に大きくは感じなかったが、
葉っぱが大きいゆえの錯覚かも知れない。
モンステラ
和名:ホウライショウ (鳳来蕉)
学名:Monstera deliciosa Liebm.
サトイモ科 Araceae ホウライショウ属 Monstera
自生のものはこんなに大きくなるんだ、と感動。
赤ちゃん用のお布団になりそうなぐらい。
花はスパティフィラムに似た仏炎苞に包まれた肉穂花序で、10月頃に咲くそうです。年を越してから熟す実は美味しいらしい!

モンステラの向こう側の木に寄生して葉を広げているのはオオタニワタリ。

ガジュマル (左上)
Gajumaru
学名:Ficus microcarpa
クワ科 Moraceae イチジク属 Ficus
気根がいっぱい。

ストレリチア・レギネー
コクラクチョウカ (極楽鳥花)
学名:Strelitzia reginae
ゴクラクチョウカ科 Strelitziaceae ゴクラクチョウカ属 Strelitzia



オオタニワタリ (小道の両側の下草)

学名:Asplenium antiquum Makino
チャセンシダ科 Aspleniaceae チャセンシダ属 Asplenium
山の標高の高い所以外、島内のどこにでも生えているのだけど、環境省レッドデータブックでは絶滅危惧ⅠB類に指定されています。
センダン (栴檀) の実

学名: Melia azedarach
センダン科 Meliaceae センダン属 Melia
未熟なうちは明るい緑色、熟すと白くなります。
落葉樹で、冬は白い実だけが木に残るのですが、温暖なせいでしょうか、新しい緑の葉が芽吹いている枝もありました。花は5月頃。
八丈島にあるものは自生ではなく、移住した人たちによって植えられたものではないかと考えられています。

タコノキ(蛸の木) 葉・実
Foliage and fruits of Pandanus (Pandan)
学名:Pandanus boninensis
タコノキ科 Pandanaceae タコノキ属 Pandanus
大木です。実がなっているので雌木ですね。








タコノキ(蛸の木) 支柱根 (気根)
Buttress root of Pandanus (Pandan)
学名:Pandanus boninensis
タコノキ科 Pandanaceae タコノキ属 Pandanus
上の写真の木とは別の木です。

20141120, 1121 空と海と島 - 八丈島 二日目 - 2

the Sky, the Sea, and the Island - Hachijo-jima - Day 2 - 2
晴れのち曇り Partly cloudy

八丈富士の裏側から山を降ります。


南原千畳岩海岸
八丈富士の噴火により溶岩流が海に流れ込んでできた海岸。


大賀郷地区大里の玉石垣
その昔、流人が糧を得るために運び積み上げたもの。史跡のみならず、地域の民家にも玉石垣が残っている。
都道沿いの綺麗な玉石垣は道路拡幅工事に伴い再築されたものなので横道に入るべし。

余談ですが、道路拡幅によってだいぶ自然が減ってしまった、と八丈島が気に入って住み着いてしまった方がおっしゃってました。なかなか難しい問題です。島民の生活や観光には車は必需品ですし。また、島の公共事業は、先の震災の復興のために人手不足だったりもする。

中之郷地区裏見ヶ滝温泉

左の写真中央の湯屋の屋根の上に葉を広げているのは大型の木性シダ、
ヘゴ(学名:Cyathea spinulosa)、
ヘゴ科 cyatheaceae ヘゴ属 Cyathea

右手前は通称:ロベ 
フェニックス・ロベレニー
和名:シンノウヤシ (親王椰子)
学名:Phoenix roebelenii O’Brien
ヤシ科 Arecaceae ナツメヤシ属(フェニックス属) Phoenix
ロベ栽培は島の重要な産業のひとつ。

ロベの出荷の最盛期は3月と9月で、今の時期は、出荷のためよりも最盛期に質の良い葉がたくさん出てくるようにするために刈り取る作業が必要で大変なのだ、と昨日の温泉で出会った農家のおばちゃま。フリージアは一日3000本切るので指が痛くなると。温泉で農作業の疲れを癒して。

今回は行きませんでしたが、漁港には漁師さんたちが陸に上がって温まる温泉もあったり。
藍ヶ江漁港付近からの眺め
向こうは太平洋。



島の伝統的な家の造りは高床式。
雨が多いので、湿気やネズミなどへの対策。


神湊漁港



搭乗開始5分前
空も滑走路も緋に染まる。
出発ロビーの西側に窓が無いのが残念。















20141120, 1121 空と海と島 - 八丈島 二日目 - 1

the Sky, the Sea, and the Island - Hachijo-jima - Day 2 - 1
晴れ Sunny

夜のうちに雨は上がり、雲が切れている間に満天の星空も見ることができました。朝はまだ雲が多いですが、風が強いので間もなく雲が流され晴れてくるでしょう。


今日は八丈富士もくっきり


今は一時代前ほど観光客は多くはありません。
夏場はダイバー、冬のこの時期は釣り客なのだそうです。







神湊 (かみなと) 漁港方面、向こうは海。


八丈富士中腹 (富士登山道) から三原山方面。
大賀郷 (おおかごう) 地区・八重根 (やえね) 漁港・大坂トンネル (伊郷名 (いごな) 地区) ・樫立 (かしたて) 地区・中之郷 (なかのごう) 地区。岬 (小岩戸ヶ鼻) の向こうが末吉 (すえよし) 地区。

中央は八丈島空港。
八丈富士中腹 (富士登山道) から三原山方面。
三根 (みつね) 地区・神湊漁港・底土 (そこど) 海岸・登龍峠 (のぼりょうとうげ)。中央右端が八丈島空港。



振り返れば海

ふれあい牧場 (八丈富士山麓)

まるで牧場の下に海があるよう。
6年前に訪れた時は、風力発電用の風車 (プロペラ型の風力タービン) が何機かあったのだけど、今は跡形も無く。お国の政策、何をか言わんや。

また、楽しみにしていた「八丈牛乳」の自販機も販売中止になっていた。設備の老朽化により安全性が保障できなくなったからとのこと。



ふれあい牧場から八丈小島を見下ろす。

今は無人島だけど、以前は人々が暮らしていた。過疎化・高齢化やライフラインが整わない中での生活困難などの理由から 1969年に全員が離島したのだそう。今月、旧島民の艱難辛苦を偲んで、八丈小島の対岸の南原千畳敷に「八丈小島忘れじの碑」が建立された。


20141120, 1121 空と海と島 - 八丈島 一日目

the Sky, the Sea, and the Island - Hachijo-jima - Day 1
雨 Rainy

八丈島空港視界不良との連絡、
とりあえず羽田空港へ向かう。
6年前の帰路は欠航になったし。
条件付きフライト (May Return)
場合によっては引き返すわけだけど、
まあ、この路線では珍しくは無い。
雲の中は真っ白で、雲の濃淡すらなく
乗っている機体しか見えない。
飛んでいるというより、宙に浮いている気分♪








八丈島空港、無事にランディング。

年間を通して雨が多く風も強いので、
滑走路は天候次第でどちらからでも進入できる。
今日は上空で待機することも無く、南西方向から進入。この便の後の最終便はしばらく旋回ののちに着陸したみたい。

一日3往復の空の便が地元の方の生活を
支える。運ぶモノはほぼ満席の「人」だけではない。海路は一社独占のため、飛行機に乗らない
大きな資材などはかなり割高になってしまう。


旧八丈町役場

















八丈富士の側と三原山の側を結ぶ「大坂トンネル」と雨雲がかかる八丈富士(右の写真)。晴れていれば、左の写真の断崖絶壁の端~頂辺りに日が沈む時間。夏は八丈小島の左側の海に沈む。


八丈島の楽しみの一つ、温泉!
バス乗り放題+温泉入り放題(3ヶ所限定)チケットもあるよ。




20141120, 1121 八丈島で出会った植物たち - 路上編 2

Some of the plants I met on my trip to Hachijo-jima - On the Street 2
2014-11-20, 21 ほぼ撮影順

ツワブキ(石蕗、艶蕗) (中央)
学名:Farfugium japonicum
キク科 Asteraceae ツワブキ属 Farfugium

ラセイタタマアジサイ (羅背板玉紫陽花) (上部)
学名:Hydrangea involucrate var. idzuensis hayashi
アジサイ科 Hydrangeaceae アジサイ属 Hydrangea

ハチジョウススキ (八丈薄) (両サイド)
学名:Miscanthus condensatus
イネ科 Poaceae ススキ属 Miscanthus

ツワブキは島のいたるところに群生しており、見事です。
ツルソバ (蔓蕎麦)
学名:Persicaria chinese
タデ科 Polygonaceae イヌタデ属 Persicaria
蕾・花は生成り色、実は艶やかな暗黒紫色
ソテツ (蘇鉄) と地衣類 とノキシノブ (軒忍)
Sotetsu, Lichen, Weeping fern
ノキシノブ (軒忍)
Weeping fern
学名: Lepisorus thunbergianus
ウラボシ科 Polypodiaceae ノキシノブ属 Lepisorus
八丈富士の標高の高い所へ行くと、
同じノキシノブ属の伊豆諸島固有種の八丈ウラボシが見られるそうな。


ハチジョウススキ (八丈薄)
学名:Miscanthus condensatus
イネ科 Poaceae ススキ属 Miscanthus
ハマユウ (浜木綿) の葉
別名:ハマオモト
学名: Crinum asiaticum
日本自生種:Crinum asiaticum var. japonicum
ヒガンバナ科 Amaryllidaceae ハマオモト属 Crinum



詳細不明、園芸品種かも
三原山に近いエリアはこの原生林を切り開いて民家が立つ


タコノキ(蛸の木) の実
学名:Pandanus boninensis
タコノキ科 Pandanaceae タコノキ属 Pandanus
小笠原諸島の固有種が八丈島等に移出されて定着したのだそう。
ケンチャヤシ (推定)
学名:Howea belmoreana
ヤシ科 Arecaceae ホウエア属 Howea
右奥はタコノキ、下の方に気根が覗いていますね。
カナリーヤシの実
学名:Phoenix canariensis
ヤシ科 Arecaceae ナツメヤシ属(フェニックス属) Phoenix
黄色→オレンジ色→茜色→葡萄色と
熟度によって色とりどりできれい。
下草の実は、ショウガ科の
アオノクマタケラン (青野熊竹蘭, Alpinia intermedia)



トベラ (扉)
Japanese Cheesewood
学名:Pittosporum tobira
トベラ科 Pittosporaceae トベラ属 Pittosporum
元々海岸近くに分布する低木だけど、八丈島は特に風が強いせいか、
葉の丸まり具合が強く、遠目には細長い葉に見えてしまう。
実はまだ未熟。熟して割れると赤い粘々の液に包まれた種子が出てくる。